シューベルト:4つの即興曲



シューベルト:4つの即興曲
シューベルト:4つの即興曲

商品カテゴリー:ミュージック,CD,DVD,クラシック,音楽
収録曲:4つの即興曲op.90,D.899, 4つの即興曲op.142,D.935,
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弱音のコントロールが実に見事

 「1000人に1人のリリシスト」と呼ばれるラドゥ・ルプーの傑作です。

 即興曲は構成が不安定で、展開部が異常に長かったり、また無かったり、曲によっては変奏曲の形式をとるものもあります。構築感を出すのが難しいと思われますが、ルプーの演奏は全体が1つの曲であるかのような見事な構築力です。

 これほどまでに弱音をコントロールできるピアニストも珍しいでしょう。全ての曲の約9割がp?pppくらいの音量ですが、その範囲でメロディを詩的に歌わせ、軽やかなリズムを奏でています。晩年のシューベルトの曲に聴かれる死の影はここではその姿を潜めて、美しい自然の移り変わりを表現するかのような、さわやかな演奏です。

 聴いていてあまりに自然に流れるので、テクニック面などどうでも良くなってきますが、聴き手にそうした思いを抱かせることこそ、最高のテクニックの持ち主であるという証左を示しています。
弾き込まれたシューベルト

 「1000人に1人のリリシスト」という異名を持つラドゥ・ルプー。近年はあまり名前を聞くことがなくなってしまったが、70?80年代にかけてDECCAに多くの録音を残した。ベートーヴェン・ブラームス・シューマンなどドイツ・ロマン派の音楽を得意としているが、特にシューベルトには力を入れていて、この即興曲だけでなく、「楽興の時」やソナタにも名盤がある。
 シューベルトの即興曲は技巧的にそれほど難しいものではない。しかし、それに豊かな表現をつけようとすると実際にはソナタよりも遥かに難しい一面が浮かび上がってくる。ルプーの演奏はしばしば「煮詰めすぎ」という評価を受けるが、それほどまでに弾きこんでいるからこそ、このCDのようにすばらしい表現ができるのだろう。特にOp.90(D.895)の第2番では、古典派らしい軽快さとロマン派らしい優雅さの中間性をよく引き出している。また、Op.142(D.935)の第4番では全体に細かいルバートをかけてスケルツォ風に弾いているのが特徴的。
 この曲の代表的なCDとしてはリリー・クラウスと内田光子のものがよく知られているが、彼女たちの鮮やかな演奏に比べると、ルプーの演奏は少し系統が違う気がする。全体に抑えたトーンで派手さでは劣るが、細かいコントラストや全曲を貫く優美さなどでは引けを取らないし、旋律を歌い上げる際の表現も見事。



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